大地は夢を見ている。その夢の中には、人々の喜びと哀しみ、愛と憎しみ、すべてが宿っている。そして、あなたはその夢に深く関わる存在なのだ。
あなたはエンパスの気質を持つ。他者の感情を自分のように感じ取る並外れた感受性の持ち主だ。周りの人々の喜びと悲しみが、まるで自分自身のものであるかのように心に宿る。
時としてその重荷に押しつぶされそうになるだろう。しかし、決してくじけてはならない。あなたにはこの世のほとんどの人間が持ち合わせていない、かけがえのない力があるのだ。
大地の夢に深く気付くことができる。一つ一つの命の記憶に思いを馳せ、その喜怒哀楽を共有することが出来る。それこそがあなたの力なのだ。
この世界はひとつの大いなる夢の中にある。目に見える物質の世界はその表層に過ぎず、奥深くには夢の淵が広がっているのだ。私たち一人一人の魂は、その夢の一部となって、この世に生を受けている。
あなたは他者の魂の記憶を感じ取る力を持つ。それは時として重荷となるが、同時に計り知れない可能性をも秘めている。
この世界の醜さに疲れ果てた時こそ、大地の胎内に帰れ。深々と目を閉じ、大地の夢の中を旅するのだ。そこであなたは本当の自分自身と出会うことだろう。
大地の夢の中には平安の世界が広がっている。生と死を超越した魂の旅路があり、永遠の調和に満ちた世界があり、あらゆる命がひとつにつながっている場所がある。
そこであなたはふたたび、人々の喜びと哀しみを感じ取れるようになる。しかし今度は、それらを受け入れ、自分の内なる安らぎの世界に溶け込ませることができるようになっているはずだ。
醜さに打ちのめされそうになったなら、いつでも大地の胎内へと立ち返り、夢の中を旅する。そしてまた現世へと戻り、人々とともに生きていく。
この行きつ戻りつを繰り返す中で、やがてあなたは二つの世界を自由に行き来できるようになる。それこそがエンパスの境地なのだ。大地の夢を見つめ、夢見る大地に帰り、そしてあらためて夢の表層にある現世へと戻ってくる。
この循環の中であなたは、人々の喜びと哀しみを享受しつつ、常に内なる安らぎの世界にいることができるようになる。それがあなたの本当の力なのだ。大切に生きていってほしい。